礼拝の進行について

>礼拝のご案内>礼拝の進行について

礼拝は祈祷書に書かれているとおりに進行します

 日本聖公会の礼拝は、「日本聖公会 祈祷書」に基づいて献げられます。そこには、神様を讃え、世界の人々と共に歩んでいくための礼拝や祈り、聖餐式、結婚式、葬送式、聖洗式(洗礼)、堅信式など様々な聖奠(せいてん・サクラメント)、諸式について、何を読み、唱え、歌い、どのように行い、動く(所作といいます)かが、こと細かく定められています。つまり日本聖公会の教会であれば、日本中どこの教会でも、この共通の祈祷書に基づいて礼拝が献げられているのです。そしてさらに、世界中の聖公会(アングリカン・コミュニオン)の教会でも、言葉こそ違いますが、ほぼ同様の祈祷書に基づいて礼拝が献げられています。

 聖アンデレ教会では、この祈祷書を分冊*1でご用意しておりますので、それをご覧いただきながら礼拝にご参加下さい。

*1 祈祷書(本体)と分冊

教会による礼拝の違い・・・チャントや所作

 先に祈祷書は共通、と申しました。しかしながら、実際の礼拝は、それぞれの教会ごとに、非常に違った印象を受けるかもしれません。

 例えば、チャントです。主日(日曜日)10時30分からの礼拝・聖餐式では、チャントが用いられます。これは礼拝中の重要な賛美や祈り、例えば「キリエ」「大栄光の歌(グロリア)」「ニケア信経(クレド)」「聖なるかな(サンクトゥス)」「主の祈り」「神の小羊の歌(アニュス・デイ)」などを、単に朗読するのではなく、節を付けて歌うものです。*2

 このチャントの節回しは、同じ聖公会の教会であっても、それぞれの伝統などによって大きく異なっているのです。チャントを用いず、読むだけの教会もあります。

 聖アンデレ教会に備え付けられている祈祷書の分冊には、チャントの楽譜が添付されていますので、そちらをご覧いただき、オルガンに合わせて朗唱いただければ幸いです。しかし、初めて参加される方は最初は戸惑うかもしれまぜん。その場合には、心の中でそれらの祈りをお唱え下さい。詳細は、礼拝当番やアッシャー(十字架の首飾りを付けています)、名札を付けた教会員にお気軽にお尋ね下さい。

 また、礼拝中の所作(動き)も、教会によって違う場合があります。アンデレ教会では、礼拝の進行に合わせて、立つ、座る、手を合わせる、お辞儀をする、十字を切るなどの所作をとっています。しかし、礼拝中ひざまづくことは、現在はしておりませんので、ニーラー(ひざ当て)のご用意もありません。

 初めて教会にいらした方には、こうした所作は分かりづらいと思いますので、最初から無理に合わせず、どうぞ静かに座ってまわりをご覧いただきながら、ご参加下されば幸いです。

*2 聖歌集

主日の礼拝・聖餐式の進行について

 ここで簡単に、日曜10時30分からの礼拝の進行について、概略の説明をさせていただきます。

 まず、聖堂入り口の受付で、祈祷書と週報(その週の礼拝案内とお知らせ、牧師からのメッセージなどが記載されています)、聖歌集*2をお受け取りいただき、名簿にお名前をご記帳下さい。初めてアンデレ教会のお越しの方は、「新来者カード」がありますので、そちらにもお名前をお書き下さい。また、他の教会で洗礼・堅信を受けている方は、お名前の左の欄に○印を付けて下さい。礼拝についての説明やその他サポートの必要な方は、受付におります礼拝当番かアッシャーにお申し付け下さい。

 座席はどこでもご自由にお座り下さい。礼拝開始5分前に鐘が鳴ります。そしてオルガンの前奏が始まります。心を静かにし、神様を共に賛美する準備をしましょう。当日の礼拝の進行内容は、週報1ページに記載されています。

 開始の鐘とともに、入堂聖歌が始まります。聖堂の扉が開き、アコライト・サーバー、執事、司祭が入堂してきます。*3聖歌隊が一緒に入堂することもあります。一緒に聖歌を歌いましょう。

 全員が席につき聖歌が終わると、祈祷書を手にとって最初のページを開いてください。祈祷書に従って、司祭の先導により、「会衆」と書かれた場所を読み、あるいはチャント(「キリエ」「大栄光の歌」など)を歌っていきます。

 礼拝の前半は、「み言葉」(聖書朗読と説教)です。まず、旧約聖書が奉仕者によって朗読されます。*4 

*3 入堂
*4 聖書朗読(奉仕者)

 次に詩篇が読まれます。受付で配られた週報1ページの右下に、その日の詩篇が印刷されています。詩篇は執事(或いは司祭)の先唱で、声を出して読み上げていきます。

 それが終わると、奉仕者による使徒書の朗読、そして、執事(或いは司祭)による福音書の朗読に移ります。*5福音書は、イエス様のみ言葉が記されています。このため、朗読は聖職者(執事や司祭)によって行われるのです。

 これら聖書の朗読は「日課」と呼ばれ、読む箇所は祈祷書に定められており、3年間で一巡するようになっています。また、当日の旧約聖書、使徒書、福音書の朗読箇所は、相互にテーマを関連付けられ組み合わされていることが多く、それぞれの意味を深く考えながら、朗読者の声に耳を傾けてください。また、週報の4ページにはその日の聖書日課に関連した牧師からの学びのメッセージが記されていますので、是非お読み下さい。

 福音書朗読が終わると、「説教」です。*6司祭の言葉に耳を傾け、ともに学び、考え、祈りましょう。

*5 聖書朗読(執事)
*6 説教

 説教の後、いったん礼拝が中断し、教会からの様々なお知らせや連絡が、担当者からあります。そして再び、礼拝に戻ります。

 まず「ニケア信経」で自らの信仰を確認し、「代祷」によって隣人や世界のために祈ります。そして「懺悔」により自らの罪を告白し、悔い改めを行い、司祭とともに互いの罪を神様が許して下さることを、共に祈ります。こうして、礼拝はいよいよ後半の聖餐に入っていきます。

 聖餐は、「平和の挨拶」から始まります。*7聖餐はイエス様が定められた主の食卓(最後の晩餐)のもとに、教会の皆が集まり、一緒にそれをいただくものです。平和の挨拶はそのためにそこに集う人々との交わりを深め、和解し、教会が一つの信仰共同体であることを確認します。できるだけ多くの人々と握手しましょう。

 次いで、「奉献」に移ります。*8聖歌が始まると献金袋が回ってきます。献金(信施)とは、労働を通じて神様から頂いた恵みを、人々や社会のために生かすために献げ、そして、自分自身をも神様に献げることです。どうぞ、ご協力をお願いします。こうして集められた信施は司祭によって聖別され、祭壇に献げられます。

*7 平和の挨拶
*8 献金

 そしていよいよ、「感謝聖別」に入ります。*9私たちの主イエスは、十字架につけられる前の晩、弟子たちを集め、最後の晩餐を一緒にとられました。そして、「わたしを記念するために行いなさい」と、ともに食事をとることを命じました。このように主が定められた通り、司祭がパンとワインを神に献げ、聖別して聖餐の準備を整えます。つまり聖餐式とは、ともに食事をとることなのです。神様に感謝し、神様を讃えながら、主の命じられたように司祭が行うことによって、最後の晩餐がまさに今、再現されることなのです。どうぞ、聖卓で司祭が唱え、行う様子をよくご覧いただき、ともに神様を賛美し、お祈り下さい。

*9 感謝・聖別

 「感謝聖別」の次には、皆で「主の祈り」を唱えます。これは、主イエスご自身が弟子たちに直接教えた祈りです。教会では、折に触れて、この「主の祈り」を大切な祈りとして唱えます。また、日々の信仰の中でも、「主の祈り」は日常的に祈り、献げるものです。現在、日本聖公会では、カトリック教会との口語共通訳を唱えています。

 <主の祈り>

 天におられるわたしたちの父よ、

 み名が聖とされますように。

 み国が来ますように。

 みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

 わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

 わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。

 わたしたちを誘惑におちいらせず、

 悪からお救いください。

 

 国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。

 アーメン

 続いて「近づきの祈り」「神の子羊の歌」を唱え、「陪餐」に移ります。*10・11ここでもう一度、聖卓に目を転じましょう。

*10 陪餐1
*11 陪餐2

 聖卓には、様々な祭具が置かれています。実はこれらはすべて食事の道具です。また、聖卓も食事をとるための食卓なのです。聖杯(ゴブレット)はチャリス、皿はパテンと言います。アンデレ教会では銀製のものを用いますが、教会によってはガラスや陶器などを使用するところもあります。チャリスにはワイン、パテンにはウェハース状の丸いホースト(パン)がのせられ、聖別されますが、これらこそ「キリストの血と体」なのです。こうして聖別されたパンをワインに浸して、司祭が直接みなさんの口に運んで下さいます。

 聖餐にあずかり、パンとワインをいただくことを、「陪餐」といいます。陪餐はまず司祭、聖職者、オルガニスト、サーバーなどがいただきます。それが終わると、司祭が聖卓の前に出てきます。信徒は2列で並び、交互に前に出て聖餐にあずかります。アンデレ教会に初めていらした方でも、洗礼・堅信を受けられている方はどうぞ陪餐をお受け下さい。洗礼をお受けでない方は、司祭が祝福*12しますので、同じように前に並び、両手を胸の前で交差させて司祭の前にお立ち下さい。

*12 祝福

 陪餐を受ける際には、司祭は「主イエス・キリストの体と血」と一人一人に向かって唱えて、口に運んで下さります。お受けになる方は、「アーメン」と唱えて下さい。ここで胸に十字を切る方も多くいらっしゃいます。

 「アーメン」と唱えることと、十字を切ることは、ほぼ同じ意味と考えて下さい。アーメンとはヘブライ語で「確かに」「そのとおり」といった意味で、礼拝の中で一緒に祈りながらそのことに強い同意を表わすときに唱えるものです。同様に十字を切るのも、自らの信仰を表明するときです。

 こうして陪餐が終わると聖歌を歌い、主イエスの尊い体と血をいただいたことの「感謝の祈り」を献げ、司祭の祝祈があり、聖歌を歌いながら聖職者やサーバーが退堂します。

 そして最後に、司祭が「派遣」の呼びかけを行います。これは、主イエスが弟子たちを宣教と人々のいやしのために世界に遣わしたことに習い、私たちも社会に出て行って広く共に人々のために働きましょう、という呼びかけです。私たちは、これに「主のみ名によって、アーメン」と唱和して答え、これからも主と人々に仕えていく決心を新たにしながら、礼拝を終えるのです。

 このあと、しばらくオルガンが続きます。静かに祈りを献げてから、聖堂を退出します。*13

 そして、アンデレホールでの愛餐会*14がほどなく始まりますので、ぜひそちらにもお寄り下さい。こちらも主の食卓に一緒につく、とても大切な交わりの場です。教会の奉仕者のみなさんが作った手作りの料理を、お楽しみ下さい。

*13 退堂
*14 愛餐会

なお、さらに詳しいことをお知りになりたい方は、司祭や教会信徒にお尋ねいただくか、このホームページの「キリスト教について」のページをご覧下さい。